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うどんカフェママ・西井紀代子

第18回 まずお客さんの声を聞く

「地域密着型情報発信基地的なお店」

インターネットを通じて知り合った蓮見壽さんは、ごく普通のサラリーマンだが、ひとたび麺棒を握るとプロ顔負けの蕎麦打ち、うどん打ちの名人である。うどんカフェに食べに来てくれた時も、つゆの味から打ち場の整理整頓まで鋭いアドバイスをくれた。

彼が、「オールアバウトジャパン」というサイトの、うどんのコーナーを担当することになったというので、そのページをのぞいた。全国のうどん屋さんを列挙して、一言コメントしているところがある。

うどんカフェについて、彼はなんと書いたのだろう? どきどきしながら探すと・・、あった。なになに?

「地域密着型情報発信基地的なお店」

そんなー、うちはうどん屋だよ、タウン誌の発行所じゃないんだから! 思わず噴き出してしまったが、実はまんざらでもない。その後に付け足しのように、「もちろんうどんもお蕎麦も手打ちでおいしいです」とあるのは、蓮見さんの心遣いか。ありがとう。


「洗濯ボール」情報

先日、うどんカフェの常連さんのお客さんと洗濯の話になった。このコーナーに書いた石けん話が発端だったように思う。

彼女は、ついこの間まで毎日の洗濯に合成洗剤を使っていたのだが、いまは合成洗剤も石けんもほとんど使わず、「洗濯ボール」を使っているという。セラミックやトルマリンという鉱石の入ったボールを洗濯機に入れ、洗濯物と一緒に回すとマイナスイオンが発生し、水の洗浄力が高まるというものだ。

「インターネットショップで見つけたの。貸してあげるから試してみて」という。

数日後、またしても「洗濯ボール」情報が飛び込んできた。うどんカフェをオープンする前に、内装のことで相談に乗ってもらった「住工房なお」(鎌倉市)の鈴木直子さんが、お蕎麦を食べに来てくれたのだ。


お客さんに教わったことお客さんに発信する

彼女の店は、自然派住宅の設計事務所だが、予約制で穀物菜食レストランを開いたり、料理を教えたりもする。

「環境や体に負担をかけない生活」がテーマで、その切り口からみると、ありとあらゆることが彼女の仕事になっている。

彼女もやはり、「洗濯ボール」をお客さんに紹介されて使ってみたらとてもいいので、自分の店で販売することにしたという。

こちらの商品は竹炭でできていて、日に干すと何度でも使えるというのが特長。究極の環境保護型洗濯グッズ(?)である。

「お客さんに教わったことを、またお客さんに発信する、情報発信基地になりたい」という鈴木さんの話を聞いて、おお、ここにも仲間がいたかとうれしくなった。

マスコミからの情報ばかりがありがたがられた時代は過ぎた。パソコンやコピー機などの普及で、市民から市民へと、縦横無尽に情報が流れる。

ただ、いちばん頼りになるのは、昔ながらの口コミ情報だ。うどんカフェでは、テーブルの上にお客さんに書き込んでもらうメッセージカードを置いている。「地域密着型情報発信基地的なお店」としては、まずお客さんの声を聞かなければ。

第19回 時には縁結びの神様役

大事なのは「うどんが好き」

前々回、インターネット上の「さぬきうどんメーリングリスト(以下ML)」のことを書いたが、その管理人は、神戸在住のかずさんである。

以前新聞にそのことを書いたとき、編集者の勘違いで、MLの管理人が私であるかのように読める文面が掲載されてしまったことがある。間違いに気づいた私は、かずさんにお詫びのメールを入れた。かずさんから、すぐに返事が届いた。

書き出しは「気にせんといてつか」。讃岐弁かな。続いて、私の記事の「住所も職場もさまざまな人の共通点はうどんが好き」を引用して、「うどんが好き」にアンダーラインを引いてある。「大事なのはこれだけ。別に誰が管理人でも構わないです」

インターネットのいいところは、居ながらにして、たくさんの情報や人に触れられること。その中で、より深く知りたい事、付き合いたい人を見つけて、さらにアプローチしていけばいい。


「障害はひとつの個性」

私のホームページに、ときどき書き込みをしてくれるTOMOEさんとは、彼女が妊娠中からのお付き合いだ。彼女の夫は、骨が弱く折れやすい「骨形成不全症」という遺伝性の障害の持ち主で、彼らの赤ちゃんが同じ障害をもつ可能性が非常に高かった。

赤ちゃんが障害を持つ可能性はどの妊婦さんにもあるのだが、その不安や、不安がどこから来るのか、又自分が「障害」に対してどんな意識をもっているかについて、言葉にする機会が あまりない。

私のホームページ上に意見交換の場を設けた所、「障害はひとつの個性」と言い、赤ちゃんの誕生を待ち望んでいるTOMOEさんが、書き込みをしてくれるようになった。

私はすっかり彼女に惚れ込んでしまい、宮城県までご夫妻に会いにいったこともある。福島市で開かれた「いいお産の日」のイベントで講演ををしたときには、イベントに参加してくれて、その後しばらく話をすることができた。当時2歳のお嬢さんは、お父さんと同じ障害をもち、それを個性だと言う両親のもとで、すくすく育つ、恥ずかしがり屋で、実はおしゃまな女の子だった。


何回かしか会っていないのに・・・

さて、毎年開かれる、うどん・蕎麦店向けの展示会に行って、「さぬきうどんML」のメンバー数人と再会した。脱サラ開業志願の人も、趣味で打っている人もいる。何回かしか会ってないないのに、とたんに話が弾む。後で思えば「いつまで経っても赤字なのよ〜」などという私の愚痴を、延々聞いてもらったような・・・。それだけ私が気を許し、甘えていると言うことかな。

ちなみに、TOMOEさん夫婦は、音楽関係のホームページで出会い、交際が始まったと聞く。ほかにも、ネットがとりもつ縁で結婚したステキなカップルを、私は何組か知っている。事件の報道に出てくる「出会い系サイト」という言葉が、いかがわしいイメージを漂わせるようになってしまったのは残念だ。インターネットは、現代の縁結びの神なのだから。

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